ベトナム旅行では、思いがけない料理に出会うことがあります。
フォー、バインミー、ミークアン、バインセオ。
このあたりは日本人にもかなり知られるようになりました。
しかし、ダナンで少しローカルな店を探していると、時々出会う料理があります。
それが、
Cháo Ếch(チャオ・エック)
です。
日本語にすると、カエル粥。
一度、目を閉じたくなる響きです。
「カエルを食べる」と聞くと、多くの日本人は一瞬フリーズすると思います。
えっ、あのピョンピョンしているやつ?
本当に?
しかも、お粥で?
旅行中は好奇心が少しだけ強くなるとはいえ、軽く躊躇してしまうのが本音です。
でも実際に食べてみると、これが意外なほど美味しい。
むしろ食べ終わる頃には、
「カエルって、こんなにちゃんと料理として成立していたのか」
と少し感心してしまいます。
今回は、ダナンで食べられるカエル料理「Cháo Ếch」について、日本人目線でご紹介します。
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Cháo Ếchとは?カエルのお粥料理
Cháo Ếchは、カエル肉とお粥を組み合わせた料理です。
ただし、日本人が想像するような「お粥の中にカエル肉が入っている料理」とは少し違います。
一般的には、
- 白いお粥
- 甘辛く煮込まれたカエル肉
が別々に出てきます。
食べる時は、カエル肉の濃いタレをお粥にかけたり、少しずつ混ぜながら食べたりします。
このスタイルがとても良いんです。
お粥はやさしい。
カエル肉は濃い。
この組み合わせが、まるで旅行中に疲れた胃袋へ「大丈夫、でもちょっと攻めよう」と話しかけてくるような味です。
実はシンガポール発祥の料理
ここが少し意外なのですが、Cháo Ếchはベトナム発祥の料理ではありません。
ルーツとしては、シンガポールの有名料理「Frog Porridge」に近いものです。
シンガポールでは、カエル肉を濃いめのタレで煮込み、白粥と一緒に食べる料理が人気です。
そのスタイルがベトナムにも広がり、ホーチミンやダナンなどでも見かけるようになりました。
つまり、ダナンで食べるCháo Ếchは、
ベトナムで食べるシンガポール風カエル粥
という、なかなか情報量の多い料理です。
ベトナム旅行に来たはずなのに、シンガポール由来のカエル粥を食べている。
一瞬、自分がどこの国にいるのか分からなくなります。
でも、それもまたアジア旅行の面白いところです。
ベトナム人は昔からカエルを食べている
Cháo Ếch自体はシンガポール風の料理ですが、ベトナムでカエルを食べる文化は昔からあります。
ベトナムではカエル肉を「thịt ếch」と呼び、ローカル料理では比較的よく使われます。
代表的な料理には、以下のようなものがあります。
- Ếch chiên giòn:カエルの唐揚げ
- Ếch xào sả ớt:カエルのレモングラス唐辛子炒め
- Ếch chiên bơ:カエルのバター炒め
- Lẩu ếch:カエル鍋
- Mì Quảng ếch:カエル入りミークアン
日本人からすると「カエル料理」というだけで少し身構えますが、ベトナムでは特別なゲテモノというより、普通に食材の一つとして扱われています。
日本でいう鶏肉、豚肉、魚ほど一般的ではないにしても、「食べる人は普通に食べるもの」という感じです。
食べる前の正直な気持ち
最初はかなり警戒しました。
お腹の心配もしました。
メニューに「Ếch(frog)」と書かれているのを見た瞬間、頭の中にあの緑の個体の映像が流れます。
しかも、なぜか小学校の理科室まで思い出します。
食欲の方向性としては、あまり良いスタートではありません。
注文する時も、
「これでいいのか?」
「本当にいくのか?」
「フォーという安全地帯に戻らなくていいのか?」
と、心の中で葛藤がありました。
ただ、せっかくダナンまで来たのです。
いつも通り無難な料理だけを食べるのも、少しもったいない。
そう思って注文してみました。
実際に出てきたCháo Ếch

運ばれてきた料理を見て、まず思ったのは、
「あれ、思ったより普通」
でした。
もっとこう、見た瞬間に「これはカエルです」と主張してくる料理を想像していました。
ところが実際は、濃い茶色のタレで煮込まれた骨付き肉。
見た目だけなら、鶏肉の煮込み料理に近いです。
白いお粥も一緒に出てくるので、全体としてはかなり食べやすそうに見えます。
この時点で、心の中の警戒レベルは少し下がります。
旅行者の脳内アラームも、
「危険」
から
「要観察」
くらいに変わります。
一口食べてみた感想
恐る恐る一口食べてみます。
すると、
あれ、美味しい。
いや、かなり美味しい。
味は鶏肉に近いです。
ただ、鶏肉よりも少し弾力があり、脂は少なめ。
クセはほとんどありません。
濃いめのタレで煮込まれているので、お粥との相性もとても良いです。
最初は「カエルを食べている」という事実に意識を持っていかれます。
しかし、数口食べると、だんだん普通の美味しい肉料理として認識し始めます。
そして途中から、
「これ、本当にカエルだったよね?」
と何度も確認したくなります。
食べる前はあれほど緊張していたのに、人間は都合のいい生き物です。
美味しいと分かった瞬間、急に受け入れ始めます。
カエル肉はどんな味?
カエル肉の味を日本人向けに説明するなら、
鶏もも肉と白身魚の中間
という感じです。
鶏肉ほど脂っぽくなく、白身魚ほどあっさりしすぎてもいません。
食感には少し弾力があります。
クセが強いのではと思うかもしれませんが、実際にはかなり食べやすいです。
特にCháo Ếchはタレの味がしっかりしているため、カエル肉そのもののクセはほとんど気になりません。
「カエルだから美味しい」というより、
普通に肉料理として美味しい
という感覚です。
これが一番意外でした。
ただし骨は少し多い
Cháo Ếchで唯一、日本人が少し戸惑うかもしれないのが骨です。
カエル肉は骨付きで出てくることが多いため、食べる時に少し注意が必要です。
鶏の唐揚げのように、何も考えずにガブッといくと、
「あ、そういうタイプでしたか」
と少し後悔します。
イメージとしては、焼き魚と手羽先の中間くらい。
美味しいのですが、食べながら急に集中力を求められます。
旅行中、海を眺めたり、カフェでぼんやりしたりして緩んでいた自分に、突然「骨を見極める」という繊細な任務が与えられる感じです。
カエルの唐揚げもある
Cháo Ếch以外に、日本人が比較的挑戦しやすいのがカエルの唐揚げです。
ベトナム語では、
Ếch chiên giòn
と呼ばれます。
意味は、カリカリに揚げたカエル。
これはかなり食べやすいです。
揚げ物になっているため、見た目のハードルも下がります。
唐揚げという調理法は本当に偉大です。
だいたいのものを「まあ、いけそう」に変えてくれます。
味は鶏の唐揚げに近く、ビールとの相性も良いです。
ローカル居酒屋やカエル料理を扱うお店では、Ếch chiên giòn、Ếch chiên bơ、Ếch xào sả ớtなどを見かけることがあります。
日本人でも食べやすい?
結論から言うと、かなり食べやすいです。
もちろん「カエル」という言葉に抵抗がある人は多いと思います。
そこは仕方ありません。
私たちは日本で暮らしていて、日常的にカエルを食べる文化がほとんどありません。
突然カエルが食卓に出てきたら、誰でも一度は箸を持つ手が止まります。
ただ、味だけで言えばかなり親しみやすいです。
むしろ、虫料理やかなりクセの強い内臓料理に比べると、ハードルはずっと低いと思います。
見た目もCháo Ếchの場合は煮込み料理に近いので、そこまで強烈ではありません。
初めて挑戦するなら、カエルの姿が分かりにくいCháo Ếchや唐揚げ系がおすすめです。
子ども連れでも食べられる?
子どもが食べられるかどうかは、正直その子次第です。
味だけで言えば食べやすいですが、「カエル」と聞いた瞬間に拒否する子も多いと思います。
大人でも一瞬考えるくらいなので、そこは無理をさせない方が良いでしょう。
また、骨付きの料理が多いため、小さな子どもには注意が必要です。
子連れで行く場合は、大人が先に骨を外してあげるか、別の料理も一緒に注文しておくと安心です。
「カエル食べてみる?」
と聞いて、
「無理」
と言われたら、それは正常な反応です。
カエル肉は実は高タンパク・低脂肪
少し意外ですが、カエル肉は高タンパクで低脂肪な食材として知られています。
旅行中はどうしても食べすぎたり、揚げ物や甘いドリンクが増えたりします。
そんな中でカエル肉を食べると、
「もしかして今、少し健康的なことをしているのでは?」
という気持ちになります。
もちろん、濃いタレや揚げ物で食べれば完全なヘルシー料理とは言い切れません。
ただ、少なくともカエル肉自体は淡白で食べやすい食材です。
旅行中の罪悪感を少しだけ薄めてくれる、ありがたい存在かもしれません。
ダナンでCháo Ếchを食べるなら
ダナンでは、Cháo Ếchを扱うお店がいくつかあります。
代表的なのは、シンガポール風カエル粥を出す専門店です。
MappiDo Cháo Ếch
ダナンでCháo Ếchを探すなら、候補にしやすいお店です。
シンガポール風のカエル粥を提供しており、カエル料理に初めて挑戦する人にも比較的わかりやすいスタイルです。
Cháo Ếch Singapore PFood
こちらもシンガポール風のCháo Ếchを扱うお店として知られています。
お粥と甘辛いカエル肉を組み合わせて食べるスタイルなので、初めてでも挑戦しやすいです。
ローカル居酒屋・食堂
Cháo Ếch専門店以外でも、ローカル居酒屋や食堂でカエル料理を見かけることがあります。
メニューで以下の文字を探してみてください。
- Ếch:カエル
- Cháo Ếch:カエル粥
- Ếch chiên giòn:カエルの唐揚げ
- Ếch chiên bơ:カエルのバター炒め
- Ếch xào sả ớt:カエルのレモングラス唐辛子炒め
- Mì Quảng ếch:カエル入りミークアン
ローカル店では英語メニューがないこともあります。
そんな時は、Google翻訳や写真付きメニューを活用しましょう。
注文する時に使えるベトナム語
カエル粥はありますか?
Có cháo ếch không?
読み方の目安:コー チャオ エック ホン?
カエルの唐揚げはありますか?
Có ếch chiên giòn không?
読み方の目安:コー エック チエン ゾン ホン?
辛くしないでください
Không cay nhé.
読み方の目安:ホン カイ ニェー
おすすめは何ですか?
Món nào ngon?
読み方の目安:モン ナオ ゴン?
初めて食べるならどの料理がおすすめ?
初めてカエル料理に挑戦するなら、個人的には以下の順番がおすすめです。
| 初心者度 | 料理 | 理由 |
|---|---|---|
| ★★★★★ | Ếch chiên giòn | 唐揚げなので食べやすい |
| ★★★★☆ | Cháo Ếch | タレとお粥で食べやすい |
| ★★★☆☆ | Ếch chiên bơ | バター味で親しみやすい |
| ★★☆☆☆ | Ếch xào sả ớt | 香草と唐辛子で少しローカル感あり |
| ★★☆☆☆ | Mì Quảng ếch | 中部料理好きならおすすめ |
最初からレモングラス炒めやミークアンに行くのも面白いですが、初挑戦なら唐揚げかCháo Ếchが無難です。
「カエル初心者」という言葉が正しいのかは分かりませんが、まずはそこからで良いと思います。
食べる時の注意点
カエル料理を食べる時は、以下の点に注意しましょう。
- 骨があるのでゆっくり食べる
- 辛さを確認する
- ローカル店では衛生面を見て選ぶ
- 生っぽいものは避ける
- 子どもには無理に食べさせない
- 苦手なら無理しない
旅行中の食事は楽しい体験ですが、無理は禁物です。
「せっかくだから何でも挑戦する」という気持ちは素晴らしいですが、胃袋にも人権があります。
少しでも不安なら、清潔そうなお店を選び、火がしっかり通った料理を注文しましょう。
まとめ|カエル料理は思ったよりずっと美味しい
正直に言うと、食べる前はかなり身構えます。
カエル。
この文字のインパクトはなかなか強いです。
でも実際に食べてみると、印象は大きく変わります。
Cháo Ếchは、濃いめに煮込まれたカエル肉とやさしい白粥の組み合わせが美味しく、想像していたよりずっと食べやすい料理でした。
カエルの唐揚げも、鶏肉に近い感覚で楽しめます。
もちろん、すべての人に強くおすすめするわけではありません。
無理に挑戦する必要はありません。
でも、ダナン旅行で少し変わったローカルグルメに挑戦してみたいなら、カエル料理は意外と良い選択肢です。
旅行って、こういう
「えっ、これ食べるの?」
が、
「えっ、普通に美味しいじゃん」
に変わる瞬間があるから面白いんですよね。
ダナンで見かけたら、ぜひ一度だけ勇気を出して試してみてください。


